2012年03月28日

金融危機にあえぐギリシャでギネス新記録が誕生!?ギネス挑戦のために大手剃刀ブランドが提供した製品の総額はいくら?

ギリシャ第二の都市テッサロニキで、3月18日、大勢の男性が一斉にひげ剃りをするイベントが開催された。

このイベントは、地元のスーパーマーケットチェーン「Masoutic」が、大手剃刀ブランド「ジレット(Gillette、親会社:P&G)」の協力を得て実施したもので、同チェーンの新店舗で行なわれたという。


記録達成には参加者は少なくとも24時間以上伸ばした髭を5ストローク以上で剃る必要があり、これを監視するためにギネス記録認定員1人と50人の監督者、2人の立会人が派遣され、挑戦が行なわれた。

これまでの記録は、2009年にジレットが主催したインド・ムンバイでのイベントで樹立された1868人で、今回参加した2015人すべてが規定通りにひげ剃りを行えば記録達成となる。


MASOUTIS - GUNNESS BY GILLETTE PLANA HD 18 3 2012

(挑戦の様子を記録した動画(ギネス公式サイトより))



スタートの合図を受けて参加者たちは一斉に支給されたひげ剃りで髭を剃る。

チャレンジ終了後、参加者たちが認定員の発表を固唾を飲んで見守る中、認定員がギネス新記録の認定を宣言すると、会場は歓喜の声に包まれた。

◆ イベントで使用された製品の総額は?

今回のイベントでひげ剃り(安全剃刀)を提供したP&G(アメリカ最大の一般消費財メーカー)は、「ジレッド・フュージョン・プログライド(Gillette Fusion Proglide)」の販売促進のために協力したという。 ちなみに、今回使用されたと推測されるジレットのひげ剃りは、以下の製品。


ジレット フュージョン プログライド マニュアルホルダー 替刃2個付

ジレットのホームページで紹介されている現在の主力製品「ジレット・フュージョン・プログライド」。)


この製品の市場価格は800〜1500円程度なので、1つ800円計算すると、2150個で170万円。

一方、上の動画を見ると、シェービングジェルも一緒に提供されていることがわかる。

こちらの製品は以下のものと推測され、市場価格で400〜500円程度。400円で計算すると2150個で86万円。

以上を合計すると、256万円となる。

とはいえ、これはあくまでも市場価格で計算したものに過ぎない。実際にはこの価格から1割程度差し引いた額がスポンサーの負担額と考えるのが妥当だと思われる。


プログライドジェル 195g【HTRC2.1】

ジレットのホームページで紹介されているシェービングクリーム。)



欧州金融危機の渦中で、依然としてデフォルトの懸念を払拭できないでいるギリシャ。

消費者の購買意欲も相当落ち込んでいるものと思われます。

今回の企画もそうした厳しい国内市場を少しでも活性化しようという意図がうかがえます。

一方、今回の挑戦は国内外の多くのメディアで取り上げられているので、ジレット(P&G)は提供した製品の額以上の宣伝効果を得られたようです。

とすると、今回の挑戦で一番利益を得たのは海外、しかもEU域外の企業だったことになります。

今回の企画はジレット側の提案から実現したのかもしれませんが、地元のスーパーがやるキャンペーンとしては、地元の企業が潤うもののほうがよかったような気がしますね(^_^;)。


参考サイト

VIDEO: NEW MOST PEOPLE SHAVING WORLD RECORD SET IN GREECE

プロクター・アンド・ギャンブル(wikipedia)

ジレット(wikipedia)

posted by 残照 at 06:20| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月26日

古いゲーム機で音楽を作る!?ゲーム音楽から生まれた「チップチューン」とは?

現在、米ワシントンD.Cのアメリカスミソニアン博物館で開催中の家庭用ゲームの展示会「The Art of Video Game」。

この展示会のプロモーション動画がYoutubeで公開されている。


The Art of Video Games: Exhibition Trailer


上の動画では主催者たちが今回の展示会について熱く語っているが、注目すべきはこの動画のBGM。

昔ゲームにはまったことのある人ならどこか懐かしさを感じさせるこの音楽は、なにかのゲームの音楽を流用しているかのように思える。

しかし、よく調べてみると、この曲はこの展示会のためにアメリカの「8Bit Weapon」というアーティストが制作したオリジナル曲で、このような曲のジャンルは、「チップチューン(chiptune)」と呼ばれているとのこと。

そこで、今回はチップチューンについていろいろ調べてみた。


■ チップチューンとは?

チップチューンとは8ビット音楽とも呼ばれ、1980年代の家庭用ゲームマシンに搭載されていた低質な8ビットの音源チップの音だけで作られる音楽のことで、現在では音楽の一ジャンルになっている。

最近はパソコン上にこうした環境を再現することもできるようになったが、厳密には実機(ゲーム機本体)を利用して作成したもののみをチップチューンとみなすという。

テレビゲームの黎明期。低性能の音源チップしか使えなかったこの時代は、性能上の厳しい制約の中でいかにしてカッコイイ音楽を作るかが、ゲーム音楽の制作者にとっての課題だった。

このような環境で、制作者が創意工夫を凝らして作り上げた数々の名曲は、多くのゲームファンを魅了したが、その一方で、創作意欲を刺激される人々や厳しい制約の中で曲を作るというプロセスそのものに面白さを感じる人々を生み出した。


こうした人々によって8ビットマシンを使った音楽が制作されるようになり、これがチップチューン音楽の原点となったようだ。


その独特の音色で奏でられる音楽は、音源チップの性能が向上した1990年代以降も多くのファンを魅了し続け、その後も独自の発展を遂げることとなった。そして、現在では、日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなど世界中に愛好者を持つ音楽の一ジャンルとして定着している。


チップチューンの楽曲制作に使われるのは、ファミコンやゲームボーイといった1980年代に発売されたゲーム機(実機)。

誰が作ったのかは不明だが音楽制作用の専用ソフトがあり、これをゲーム機に差し込んで電源を入れると、ゲーム機で曲の作成が可能となるようだ。

現在では、パソコン上に実機と同様の環境を構築したり、ゲーム機に直接シンセサイザーを接続して音を出したりできるようになり、音楽制作の手法は多様化したが、やはり本物の音を出すために実機が使われることが多いという。

(注:音源チップ……電子的に音を発生させる機能を持つ部品。このチップの性能によって使える音域や同時に出せる音の数(和音の数)などが異なる。一方、合成できる音声は音源チップに搭載されている「音源」と呼ばれる電子回路の種類によって異なり、ファミコンなどの古い8Bitゲーム機や古いパソコンに搭載されている音源はPSG(Programmable Sound Generator)と呼ばれるもので、ファミコンのピコピコ音はこの音源によるもの。スーパーファミコンなどの次世代ゲーム機には、デジタルシンセサイザーにも採用されているPCM音源方式の音源チップに変更された。この結果、飛躍的に表現の幅が広がったが、それでもメモリ不足による表現の制約は残った。)


チップチューン制作関連の動画

How to Chiptune - Famicon (NES) - #1(Youtube)

How to Chiptune - Famicon (NES) - #2(Youtube)

How to Chiptune - Gameboy - #1(Youtube)

How to Chiptune - Gameboy - #2(Youtube)


■ 日本のチップチューンの現状は?

日本ではチップチューンの黎明期から多くの制作者グループやアーティストによって楽曲の制作行なわれており、一部の愛好者に支持されてきた。


近年では、インターネットで気軽にチップチューンの楽曲を聴けるようになり、チップチューンのサウンドにテクノポップを融合させ、女性ボーカルの歌声を加えた独特の作風で人気となったYMCKがavexからメジャーデビューするなど、より多くの人がこのジャンルが知るようになった。

一方、海外では、ニューヨークで2006年から国際的なチップチューンの祭典「Blip Festival」が開催されているが、2010年には東京でもこのイベントが開催されるようになり、現在では毎年秋に行なわれる恒例のイベントとなっている。


Anamanaguchi at Tokyo Blip Festival 2011 featuring ft. USK

(2011年の「Bilp Festival Tokyo」でのパフォーマンスを撮影した動画のようです。真ん中でゲームボーイを持って演奏しているのが、日本のチップチューンアーティストのUSK氏。ライブ会場で一人だけゲームボーイを持って舞台に立つ男性と熱狂する観衆。なかなかシュールな光景ですが、見ているうちにだんだんかっこ良く見えてくるから不思議です。USK氏の作品はUSK氏のウェブサイトでも聴くことができます。)

YMCK / カレーだよ!

(YMCKのプロモーションビデオ(avexの公式動画)。ポップな曲調と女性ボーカルの甘い歌声。そして、昔のゲームの映像を見ているような楽しいプロモーションビデオ。こうした世界観は若者に受け入れられやすいのかもしれませんね。)

YMCKのオフィシャルサイト

サカモト教授「サカモト教授の8bitジュークボックス」PV

(ニコニコ生放送でもおなじみのサカモト教授さんのチップチューンのアレンジアルバム「サカモト教授の8bit ジュークボックス」のプロモーションビデオ。おなじみの名曲もチップチューンにアレンジすると、また違った味わいがありますね。)

サカモト教授のオフィシャルサイト



テレビゲームから生まれた音楽チップチューン。

その背景には、厳しい制約をあふれる創造力で補い、最高の作品を産み出そうと奮闘する制作者たち姿がありました。


経済のグローバル化が進展し、厳しい国際競争に晒される日本企業。

そんな中で、若者たちには以前にも増して高い創造力が求められています。


限られた条件の中で、最大限のパフォーマンスを目指す。

厳しい国際競争の時代を生きる私たちも、彼らから学ぶべきことが多い気がしますね。


ファミリークッキング

関連記事

テレビゲームは芸術の一様式!?テレビゲームをアートの視点から見つめ直すアメリカの展示会とは?


参考サイト

チップチューン(wikipedia)

Blip_Festival

音源(wikipedia)

Programmable Sound Generator(wikipedia)

PCM音源(wikipedia)

posted by 残照 at 02:14| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月23日

テレビゲームは芸術の一様式!?テレビゲームをアートの視点から見つめ直すアメリカの展示会とは?

最初の家庭用ゲーム機の発売から今年で40年。

現在では、技術の進歩よって本物と見間違いそうになるほどの高精細な表現が可能になり、映画顔負けの美しい映像表現も見られるようになった。


しかし、ビデオゲーム(テレビゲーム)の黎明期。ハードウェアの性能による厳しい制約の中で、「ドット絵」という独自の表現手段が発達し、多くのゲームファンを魅了したことも忘れてはならない。


こうしたゲーム独自の芸術性を多くの人に知ってもらい、「ゲームは芸術の一様式である」ことを示したい。

そんな主催者の強い思いが込められたゲーム展覧会「The Art of Video Game」が、現在、スミソニアン・アメリカ美術館(米ワシントンD.C)で開催されている。


この展示会の主催者によると、ビデオゲームの実機を使った展示は以前にもあったが、ビデオゲームを「芸術の一様式」として捉えた展示会は今回が史上初。

展示期間は2012年3月16日〜2012年9月30日までの予定で、その後はアメリカ各地を巡回する展示会を開催するという。


Art of Video Games Exhibit in DC

(展示会の様子を撮影した動画。壁に埋め込んだディスプレイにゲームの映像を映し、絵画風に展示するなど、美術展のように見えるように工夫されています。実際にゲームを体験できるコーナーも設けられ、子供から大人まで楽しめる展示会になっているようです。)




ちなみに、この展示会はかつてのゲーム大国として隆盛誇った日本のゲームソフトやゲーム機が多数展示されています。

しかし、近年は携帯電話やスマートフォンなどで手軽に遊べるソーシャルゲームの人気に押されて、日本の家庭用ゲームメーカーは苦戦を強いられてます。

[photo by NoWin]

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(画像はFlickrより引用。昨年、カナダのプリンス・エドワード島(Prince Edward Island)の「International Fox Museum」で家庭用ゲーム機の展示が行なわれたようです。発売した年代別にゲーム機が展示されていますが、ここにも日本のメーカーのゲーム機がたくさんありますね^^)


一方、価格.comが昨年10月に行った男女約8000人を対象に行ったインターネット調査によると、「1年前と比べてゲームのプレイ時間が減った(ゲームを全くしなくなった+とても減った+やや減った)」と回答した人が43.4%に上ったそうです。

また、その理由として「面白いゲームが減った」と回答した人は全体の3割を超える32.3%で、ゲームソフトの質の低下や内容のマンネリ化が、今日の日本の家庭用ゲーム業界の凋落の原因だという声もあります。



そうした声を払拭するためには、やはり斬新な発想で革新的なゲームソフトを作っていくしかありません。

今回のような展示会は、ゲームの制作者が新しいアイディアを生み出すきっかけになったり、携帯電話やスマートフォンでゲームを始めたという新しい層に家庭用ゲームの面白さを伝えるための広報活動になったりするので、現在の日本にこそ必要な試みだと思います。


日本でも、今年、「ITコンソーシアム京都 クロスメディア部会」が、産・学・公が連携してデジタルコンテンツの保存、展示、活用に取り組む「関西デジタルゲームアーカイブプロジェクト(仮称)」と、その拠点となる「京都ゲームミュージアム(仮称)」の設立構想を発表し、長期的な展示を目的とした常設のゲーム博物館の設立に向けて動き出しています。

(参考:<ITコンソーシアム京都 クロスメディア部会企画>クロスメディアを活用した地域活性化 〜 キッザニアなど新機軸集客施設の事例を踏まえて考える『京都ゲームミュージアム』の可能性 〜)


こうした博物館は、ただ過去の栄光を懐かしむだけのものになりがちですが、日本の家庭用ゲーム業界の復活に向けた未来志向の展示になることを期待したいですね。


この記事に関連するサイト

「The Art of Video Game」の公式サイト(英語)


関連記事

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参考サイト

ドット絵(wikipedia)


posted by 残照 at 22:04| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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