2012年04月22日

ネットの利用はシニアライフをアクティブにする!?総務省の「情報通信白書」から読み取れるシニア世代のIT利用の実態とは?

電通総研は、4月10日、60歳以上のシニア世代を対象に行った調査を発表した。

この調査によると、60歳代の半数以上、70歳代でも2割以上がネットを利用していることが分かったという。

(参考:シニア層のネット利用、60代で57% 電通総研調べ(J-castニュース))

この調査は、電通(電通総研)と東京大学の橋元研究室が「デジタルシニア」層について研究するために設立した「DENTSU デジタルシニア・ラボ」が、シニア層のネット利用動向について、2012年における最新の状況を数値として把握するために、全国の60歳以上の男女600人を対象に実施した調査で、これをもとにしてネットを利用する層としない層それぞれのメディア意識や心理傾向、行動習慣などについて分析している。

調査によると、60歳代のインターネット利用率が57%と調査開始以来始めて過半数に達し、70歳代でも23.3%と2割を超えたという。


デジタルシニア……パソコンやipad、デジタルカメラといった最新のデジタル機器を自在に操る、活動的なシニアのこと。新しい情報に敏感で情報収集力も高く、ネットショッピングやネットオークションを積極的に活用するなど、消費意欲も旺盛なことが特徴とされ、消費の牽引役としてビジネスの世界で今注目されている。

(参考:デジタルシニア(はてなキーワード,デジタルシニアを狙え(テレビ東京[動画]))


一方、この調査に並行して行なわれた「フィールド実態調査」の結果も同時に発表されている。

この調査は、過去にパソコンやインターネットを一切利用したことのないシニア層に対して1年間のパソコン講習を行い、短期間でもそれらをアクティブに使いこなせる ジタルシニアになれるかどうかについての実証実験を行うもので、60歳以上の男女13人を対象に行なわれた。

この調査の結果、途中で挫折を防ぐためのノウハウに基づいた「適切な方法」を用いれば、全くパソコンを触ったことのない高齢者でも1年で「デジタルシニア」になれることが実証された。

また、1年間で見事デジタルシニアへと成長を遂げた被験者たちは、「インターネットを活用してこれまでよりもアクティブな生活が送れるようになるだけでなく、心理面でもプラスの効果があった」という。


そして、この調査結果により、「DENTU デジタルシニア・ラボ」は、「シニアライフをアクティブにするネットの活用は、より豊かな高齢社会の創造と日本経済の活性化にも繋がる」と結論づけている。

(参考:70 代の2割以上がネットを利用、60 代では5割を超える 〜 大都市シニアのネット利用率は 60 代で 70%超え 〜(DENTU NewsReleace))


◆ 総務省の「情報通信白書」から読み取れるシニア世代のIT利用の実態とは?


シニア世代のインターネット利用者が年々増加しているという事実は、毎年総務省が情報通信産業の現状についてまとめている「情報通信白書」でも示されている。

この資料でもシニア世代のインターネット利用について様々なデータが公表されている。

そこで、今回は昨年7月に公表された平成23年版「情報通信白書」を読んで、シニア層のインターネット利用の実態について迫ってみようと思う。


■ デジタル・ディバイドとシニア世代

平成23年版の「情報通信白書」では、デジタル・ディバイドの問題の実態把握を目的に、年代、都市区分別、所得別、それぞれの属性別のインターネット利用状況を集計している。


世代別インターネット利用状況.png

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・世代別のデータに着目すると、60歳以上のシニア層はインターネット利用率がここ3年間で急増していることがわかる。 とはいえ、60歳以上の利用率は、インターネット普及率(平成21年末時点)の78.0%と比べてまだまだ低い水準。 このグラフからもデジタル・ディバイドは「世代間の情報格差」の問題であることがわかる。


都市区分別インターネット利用率.png

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・都市区分別のデータに着目すると、やはり人口の多い大都市が最もインターネット利用率が高く、人口が少なくなるごとに利用率が下がることがわかる。 しかし、町・村の利用率も年々上昇し、一つ上位の規模の都市に迫るようになった。政府は、ブロードバンド環境の地域間格差解消のため、「デジタル・ディバイド解消戦略」を策定し、ブロードバンド・ゼロ地域(ブロードバンド回線がない地域)の解消を進めた結果、ブロードバンド地域は平成22年末でほぼ解消された。こうしたことも、町・村の利用率へとつながった要因であると考えられる。


世帯年収別インターネット利用状況.png

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(上記のグラフはすべて情報通信白書(平成23年版)の「第二章第二節デジタル・ディバイドの解消」(参考サイト[2])より引用))


・世帯年収別のデータに着目すると、所得格差がインターネット利用率に大きく影響していることがわかる。 とはいえ、近年は年収200万円以下の世代の利用率も上昇し、6割代の利用率を推移している。これは、インターネットの必要性に関する認識が高まったことに加えて、良質な中古パソコンが安く購入できるようになり、ブロードバンド回線を安い料金で利用できるようになったことが理由として考えられる。

しかし、アンケートに協力した調査対象者のすべての層が、ネット接続料金や端末価格について「高い」と感じており、「ネット接続料金の一層の値下げ」及び「ネット接続料金の負担支援制度(の設置)」など、負担軽減策がインターネットの普及に必要であると考えている人が多かった。

参考

中古パソコン販売台数が初の200万台超え(PC Online)

中古パソコンが売れている理由(ITMedia)

平成23年版「情報通信白書」第二章第二節デジタル・ディバイドの解消(pdf)のP10〜11)


以上のように、デジタル・ディバイドの問題は様々な要因によって生じているが、情報通信白書によると、この中でも最も大きな要因となっているのが「年代」だという。

このことからも、デジタル・ディバイド解消という意味でも、シニア層にインターネットの普及させることが重要であることがわかる。


デジタル・ディバイド……「インターネットやパソコン等の情報技術(IT)を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる、待遇や貧富、機会の格差。個人間の格差の他に、国家間、地域間の格差を指す場合もある。(IT辞典 e-word「デジタル・ディバイド」より)

生活に必要な様々な情報がインターネットで提供され、インターネットがインフラの一つとして数えられるようになった現状を考慮すると、インターネットが利用できない層は、今後、生活に必要な情報も得にくくなり、生活、健康、就職など様々な分野で不利益を被ることが懸念されている。

■ 情報技術は高齢者の「孤立化」を解消する?


最近、ニュースなどで「孤立死」が頻繁に報道され、高齢者の「孤立化」の問題がクローズアップされている。

「情報通信白書」では、「孤立化」のリスクが高い世帯として、「単身世帯」、「高齢者単身世帯」、「ひとり親世帯(母子家庭など)」の3つが挙げられており、特に「50代以上の男性の単身世帯」で自殺のリスクが高いことがわかる。(下のグラフ参照)


属性別の自殺率(2009年試算値).png

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(引用:「『情報通信白書(平成23年版)』第二章第二節デジタル・ディバイドの解消」(参考サイト[2] )P4)


このデータからは、抱えている悩みや苦しみを相談する相手もおらず、孤立を深めていく男性シニア層の厳しい実態がうかがえる。

こうした中、政府が高齢者の「孤独化」を解消する手段として注目しているのが、情報通信技術(ICT)によるネットワーク形成だ。


総務省が、平成23年(2011年)行った調査に基づいて分析したところ、SNS、Twitterでの交流頻度が高い人ほど、身近な不安・問題の解決、社会・地域コミュニティの問題解決などを実現した度合いが高い傾向にあり、ソーシャルメディアの利用頻度と不安や問題の解決の実現度合いとの間に相関関係が認められたという。

ソーシャルメディアの利用頻度と身近な不安・問題の関係.png

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(引用:「『情報通信白書(平成23年版)』第2部第3章第2節ソーシャルメディアの可能性と課題」(参考サイト[3])の18P)


ところが、この調査では、「ソーシャルメディア」の利用についての設問もあり、これによると現在SNSやブログ、Twitterといった「ソーシャルメディア」を利用している人は42.9%。

一方、これまで全く利用したことがないという人は47.1%とまだまだ普及率は低い。(10.0%は以前利用していたが現在は利用をやめている)

世代別で見ると、やはり現在利用している割合が高かったのは10代で71.7%。以下年代が上がるごとに割合は下がっていき、60代以上ではわずか22.3%となっている。

世代別ソーシャルメディアの利用経験_平成23年.png

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(引用:「『情報通信白書(平成23年版)』第2部第3章第2節ソーシャルメディアの可能性と課題」(参考サイト[3])のP3)


ソーシャルメディアは高齢者の不安や悩みを解消することに一定の効果を上げており、今後もソーシャルメディアを活用した「孤独化」解消への試みは続いていくことが予想される。

しかし、高齢者にとってはまだまだソーシャルメディアの利用は敷居が高く、普及が進んでいないのが実情といえる。

■ ネット未利用のシニア層は、「習得に無関心」が多数を占める。

平成23年度版「情報通信白書」には、インターネットを習得した方法について集計したデータが掲載されている。

その高齢者層の結果に着目すると、既にネットを利用している人は子供や孫などの近くにいる家族の手を借りて覚えたという人が多い反面、ネット未利用の高齢者層は、元々「スキルの習得に無関心」または「習得する機会がない」と回答した人が多かった。

インターネット活用技術の取得手段_h23.png

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(引用:『情報通信白書(平成23年版)』第2部第2章第2節デジタル・ディバイドの解消」(参考サイト[2])の9P)

この結果からは、「インターネットの必要性を感じない」、「使ってみたいとは思っているが、なかなか始めるきっかけがつかめない」という人が多いことがわかる。


もちろん、インターネットを使う使わないは自由なので、「使いたくない!」という人に無理やり使わせることはできないが、「必要性を感じない」という人の中には、「少しは興味があるが、この年になって新しいことを覚えるのはしんどい」という人も少なくないと思われる。

いずれにしても、シニア層にインターネットを普及させるためには、インターネットの利用法を覚えたいという意欲を持っている人への支援体制の充実が必要といえる。



もはや社会を支えるインフラとして人々の生活において必要不可欠な存在となっているインターネット。

産業界では、高齢者へのインターネットの普及活動が、お金を持っていて消費意欲の旺盛なシニア層向けの市場を拡大するための手段として推進されています。


その一方で、インターネットは近頃頻発している「孤独死」などの社会問題を解決できる可能性を持った媒体であり、シニア層のデジタル・ディバイドの問題の解消は、「セーフティ・ネットの拡充」という観点でも重要な課題となっています。

政府や各自治体もそうした可能性に着目し、ソーシャル・メディアの活用による「孤立化」の防止・解消に向けた試みも一部の自治体で始まっていますが、まだまだ全国的な広がりを見せてはいません。


当然のことですが、民間企業では消費意欲が旺盛な層への働きかけに注力する傾向が強く、ITを利用して「セーフティ・ネット」の拡充を目指すという政府の取り組みに合致していないのが実情です。

政府は民間企業とも上手く連携し、効率的にデジタル・ディバイドの解消や高齢者への普及を推進していって欲しいですね。


参考サイト

[1]平成23年情報通信白書>>第2部第1章第3節ICTがもたらしたライフスタイルの変化(PDFファイル)

[2]平成23年情報通信白書>第2部第2章第2節デジタル・ディバイドの解消(PDFファイル)

[3]平成23年情報通信白書>第2部第3章第2節ソーシャルメディアの可能性と課題(PDFファイル)

平成23年情報通信白書PDF版目次


posted by 残照 at 06:28| Comment(0) | 統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月18日

外国人観光客も参戦!?街中が戦場と化すタイの恒例の水掛け祭り「ソンクラーン・フェスティバル」とは?

4月12日、タイの首都バンコクで水を掛けあって新年を祝う祭り「ソンクラーン・フェスティバル(Songkran Festival)」が開催された。

4月13日〜15日までの3日間は、タイの旧暦(仏暦)の正月にあたり、この期間は「ソンクラーン」と呼ばれている。

1940年のグレゴリオ暦(西暦)を導入して以来、「ソンクラーン」の正月としての意味合いは薄れたが、現在でもこの期間はタイの「国民の休日」となっており、一部の家庭や寺院では旧正月から続く伝統的な行事も行なわれているという。


「ソンクラーン」には、仏像に水を掛けてお清めをしたり、年長者の祝福を受けた若者が、感謝と尊敬の思いを込めて年長者の手のひらに良い香りする水を注いだりする風習があったが、いつしか若者を中心に誰かれ構わず自由に水を掛け合う「水掛け祭り」が街中で行なわれるようになった。


タイの4月は1年で最も暑い「暑季」にあたり、「ソンクラーン」の期間中は誰に水を掛けても許されるとあってか、参加者たちは1年分の憂さを晴らすかのごとく、街中で激しい水掛け合戦に興じるという。


Happy Songkran Festival 2012 Khrup

(ソンクラーンの「水掛け祭り」の映像を撮影した映像。アップロード日時から推察すると今年の映像ではないようですが、編集が綺麗なので一見の価値ありです。参加者たちの満面の笑顔が印象的です。)

Bangkok Songkran Festival 2012

(「BankokTimes Online」が今年の「水掛け祭り」を取材した動画。大勢の観光客たちがウォーターガンを持って楽しそうに水を掛け合っています。)

Festival Fare EP7 Thai New Year Songkran Festival 2012

(Tai Food Netwark Tv(TFN TV) が食の観点から「ソンクラーン・フェスティバル」を取材した動画。通りに並ぶ露店では、タイの美味しそうなファストフードが販売されています。こうした地元の味を堪能できるところもこの祭りの醍醐味です。)

U.S. Embassy Bangkok Songkran Festival 2012

(タイの米国大使館(U.S Embassy in Bankok)が「ソンクラーン」の伝統的な行事を撮影した動画。これらの行事の詳細は不明ですが、タイの仏教文化を色濃く感じさせる神秘的な儀式や、地元の人々が大勢参加する運動会、フォークダンス大会といった大小様々なイベントが各地で行なわれているようです。)



ちなみに、このイベント期間中にタイの街を訪れると、外国人観光客でも突然水を掛けられることもあるそうです。

最近は、このイベントを目当てに訪れる外国人観光客も増えており、観光客が楽しそうに水を掛け合う光景も見られるようになりました。


観光客が傍観者にならずに現地の人と触れ合いながら楽しめるこのイベント。

今年はもう終わってしまいましたが、来年タイへの旅行をご予定の方は、この季節の旅行を計画してみてはいかがでしょうか。


この記事に関連するサイト

タイ正月(ソンクラン)水掛け祭り(All About)

(「All About」のソンクラーン祭りについての記事。観光客が祭りに参加したいときのおすすめスポットや「水掛け祭り」に参加するときの心得が詳しく紹介されています。)


関連記事

暑い夏は水鉄砲でストレス解消!?数百人がずぶ濡れになるまで水を掛け合うイスラエルの水鉄砲バトル!

参考サイト

ソンクラーン(wikipedia)

タイ王国(wikipedia)

ソンクラーン・タイ正月(タイ王国大使館)

posted by 残照 at 17:22| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月12日

5年後の売り上げは1500億食を超える!?「即席めんの世界総需要」から見えてくる即席めん市場の現状は?

1958年、日清食品の創業者、安藤百福氏が「チキンラーメン」世に産み出して以来50年。インスタントラーメンは日本の国民食の一つとして親しまれてきた。

そして、現在では、その調理時間の短さや味のバリエーションの豊富さを背景に、これまで麺類を食べる習慣のあったアジアだけでなく、その調理時間の短さや味のバリエーションの豊富さを背景に、温かいラーメンを食べる習慣のなかった欧米の一部の国々でも売り上げを伸ばし、世界中の人々に愛されるようになっているという。


米市場調査会社グローバル・インダストリー・アナリスツ(Global Industry Analysits)が4月2日に発表した調査によると、5年後のインスタントラーメンの売り上げは、1540億食を超えると予測されている。


しかし、一般的なインスタントラーメンには多くの油と塩、化学調味料が多く含まれており、健康を気遣う人にとって食べにくい食品であることは否めない。

そんな中、少しでも健康的にインスタントラーメンを食べる方法を発信するWEBサイトが人気を集めているという。


ちなみに、2011年5月に世界ラーメン協会が発表した2010年の「即席ラーメンの総需要」は約954億食。

つまり、上記の記事の予測は現在から5年で500億食以上増加するという計算になる。

この根拠はどこにあるのだろうか。


◆ 「即席めんの世界総需要」から見えてくる各国の即席めん市場の現状


■ 2010年の「即席めんの世界総需要」

「世界ラーメン協会」は、毎年、世界で消費された即席めんの量を示すデータとして「即席めんの世界総需要」を公表している。

このデータは、毎年5月頃に発表されるので、現時点での最新データは2010年のものだが、それでも世界の即席めん市場の現状について多くの情報を提供してくれる。


即席ラーメンの総需要

順位 国名 需要(単位:億食)
1 中国・香港 423.0
2 インドネシア 144.0
3 日本 52.9
4 ベトナム 48.2
5 アメリカ 39.6
6 韓国 34.1
7 インド 29.4
8 タイ 27.1
9 フィリピン 27.0
10 ブラジル 20.0
11 ロシア 19.0
12 ナイジェリア 16.7
13 マレーシア 12.2
14 メキシコ 8.3
15 台湾 7.8
16 サウジアラビア、アラブ首長国連邦等 7.6
17 ネパール 7.3
18 ウクライナ 5.4
19 カンボジア 3.3
20 ポーランド、ハンガリー、チェコ 3.1
21 イギリス 2.6
22 ミャンマー 2.4
23 カナダ 2.1
24 ドイツ 1.8
25 オーストラリア 1.6
26 シンガポール 1.2
27 フィジー、周辺諸島 0.9
28 南アフリカ 0.9
29 バングラデシュ 0.6
30 ニュージーランド 0.4
31 フランス 0.4
32 ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、デンマーク 0.3
33 コスタリカ 0.2
34 オランダ 0.2
35 ペルー 0.2
36 ベルギー 0.1
37 その他 2.0
総需要(合計) 953.9

(引用:即席ラーメンの総需要(世界ラーメン協会:WINA))


やはり、人口13億人の巨大市場を抱える中国が全体の40%を超える約423億食でトップ。

2位はインドネシア(約133億食)で、そしてようやく3位に日本(約53億食)。以下、ベトナム、アメリカ、韓国と続くが、上位には華僑たちも多く住み、麺料理が深く浸透するアジア圏の国々が多い。

一方、欧州で売り上げが伸びているといわれているが、このデータを見る限りではまだまだ市場は小さいことがわかる。


■ 2002〜2010年の「即席めんの世界総需要」の推移


世界の即席めん市場の推移を分かりやすくするために、2002〜2010の「即席めんの世界総需要」の推移をグラフにまとめてみた。


即席ラーメンの世界総需要の推移.png

(社会データ実情図録に基づいて作成。画像クリックで拡大できます。さらに拡大したい場合はリンク先の画像をクリックしてください。)

即席めんの世界需要・各国の需要の推移(122位以下はその他に含まれる)

順位 国名 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1 中国・香港 231.0 320.0 390.0 442.6 467.9 458.1 425.3 408.6 423.0
2 インドネシア 109.0 112.0 120.1 124.0 140.9 149.9 137.0 139.3 144.0
3 日本 52.7 54.0 55.4 54.3 54.4 54.6 51.0 53.4 52.9
4 ベトナム 17.0 23.0 24.8 26.0 34.0 39.1 40.7 43.0 48.2
5 米国 33.0 37.8 38.0 39.0 40.4 39.0 39.5 40.8 39.6
6 韓国 36.5 36.0 36.5 34.0 33.7 32.2 33.4 34.8 34.1
7 インド 2.3 3.0 4.3 5.8 8.0 12.3 14.8 22.8 29.4
8 タイ 17.0 17.2 17.8 19.2 20.5 22.2 21.7 23.5 27.1
9 フィリピン 20.0 22.0 25.0 24.8 25.0 24.8 25.0 25.5 27.0
10 ブラジル 11.9 11.1 11.5 12.6 13.8 15.0 16.9 18.7 20.0
11 ロシア 15.0 15.0 15.2 16.0 18.0 27.1 24.0 21.4 19.0
12 その他 40.3 47.1 61.2 61.7 64.2 72.9 83.8 86.3 89.6
世界総需要(合計) 587.0 698.2 799.8 860.0 920.8 947.2 913.1 918.0 953.9

(参考データ:社会データ実情図録)


2002年から2010年までの9年で世界需要はほぼ倍増しているが、近年は2007年をピークに一時減少に転じるなど、即席ラーメンの世界需要は順調に伸びているとは言いがたい。


巨大市場を背景に世界の即席めん需要を牽引するものの、近年は需要が落ち込み気味の中国。

依然として高い需要を維持するも国内市場の頭打ちを感じさせる、日本、米国、韓国。

その一方で、インドやブラジル、タイ、ベトナム、インドネシアといった新興国の需要は急速に伸び、今後のさらなる市場の拡大を感じさせる。


「即席ラーメン総需要」の年次の推移を見ると、こんな即席ラーメンの市場の現状が見えてくる。

つまり、上の米市場調査会社の予測は、即席ラーメン市場が新興国を中心にさらに拡大していくことを念頭に置いたものと考えられる。




日本の即席めんメーカーは、縮小傾向の国内市場に見切りをつけ、海外市場への進出を活発化させています。

たとえば、日本の業界トップの日清食品は、海外市場を米州、中国、アジア、欧州の4地域に分けてそれぞれの地域を統括する総代表を置き、海外事業を迅速に行うための体制を整えています。

さらに、日清食品はシンガポールにアジア戦略本部を設置するなど、成長著しいアジア地域を重視する姿勢を鮮明にしています。


一方、日本市場で日清食品を追随する東洋水産(マルちゃん)、サンヨー食品、エースコックもそれぞれ独自の海外展開を進めています。


日本の主要メーカーの海外展開

メーカー名 代表的な製品 事業内容
日清食品 カップヌードル 1970年、創業者の安藤百福氏が、「キャンベル製品(アメリカの大手食品会社の製品)隣にラーメンを陳列する」と決意して、アメリカに進出したのが海外展開の始まり。中国市場へは1985年に香港(当時英国領)に進出したのが始まりで、現在では香港の地域シェア60%を日清食品の製品占めるようになっている。さらに、2011年には、中国全土を視野に入れて上海に投資会社を設立。香港、上海を軸に、中国全土への事業展開を図っている。また、1991年にはインドに進出。それ以降、インドネシア、タイ、フィリピン、シンガポールなど東南アジア諸国に次々と進出し、アジア地域への事業展開も活発に進めている。
東洋水産(マルちゃん) マルちゃん正麺、赤いきつね、緑のたぬき 1972年に米カリフォルニア州に「MARUCHAN INC.」を設立し、北米、メキシコに向けての製造・販売を開始。特に、メキシコでは「Maruchan」の即席麺の人気が高く、2004年には8割近くのシェアを獲得。現在、メキシコではマルちゃんの即席ラーメンが「国民食」として親しまれ、「Maruchan」が「簡単にできる」「すぐできる」という意味の言葉として使われるほど、国民の生活に定着しているという。
サンヨー食品 サッポロ一番、Cup star 1978年に「米国サンヨーフーズ」を設立して海外展開を開始。近年は海外メーカーとの提携を積極的に行い、海外事業を強化している。1999年には中国市場で50%のシェア(金額ベース)を持つ「康師傅(カンシーフ)」と資本提携。2011年にはロシア第三位の即席麺メーカーの「キングライオンズグループ」の持ち株会社に資本参加し、業務・資本提携を締結している。
エースコック スーパーカップ、わかめラーメン 1993年12月にベトナムに現地法人「エースコックベトナム」を設立し、即席麺の海外事業を開始。高品質で安価な「ハオハオ(Hao Hao)」という袋ラーメンを販売して大ヒット。年間26億食を超える販売実績を持つシェア第一位の企業となった。人口約8600万人に過ぎないベトナムで、即席めん市場を年間消費量約40億食の大市場へと成長させたのは、エースコックの技術や製作ノウハウの提供があったからとされる。


世界で拡大を続ける即席めん市場。

日本で生まれた即席めんは今や世界中に広がり、「日本の国民食」が「世界の国民食」になりつつあります。

これは日本人としては嬉しい限りですが、その一方で、世界を舞台にした熾烈な市場シェア争いは激しさを増し、日本メーカーは海外で厳しい競争に晒されるようになりました。

世界一の市場を誇る中国市場では、中国人の好みを熟知した台湾メーカー「康師傅(カンシーフ)」がシェア50%を誇り、日本企業はまだその牙城を崩せない状態が続いています。今後の日本企業の巻き返しに期待したいですね。



「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力



参考サイト

インスタントラーメン(wikipedia)




posted by 残照 at 23:35| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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