2013年01月31日

ベネズエラでタトゥーの祭典が開催!?自らの顔をチェス盤に変えてしまった男の壮絶な人生とは?

1月24日、南米ベネズエラの首都カラカスで、世界の有名タトゥーアーティストたちが集う祭典「ベネズエラ・エキスポタトゥー 2013(Venezuela ExpoTatto 2013」が開幕した。

この「ベネズエラ・エキスポタトゥー」は毎年この時期に行なわれている恒例のイベント。

今年は24日〜27日までの4日間開催され、世界中からタトゥーアーティストたちが一堂に会し、訪れたタトゥー愛好者たちにタトゥーの実演を披露した。


ベネズエラ首都で「エキスポタトゥー」開催

(Venezuela ExpoTattoo 2013の様子を撮影した動画[AFP公式])

■ 自らの顔をチェス盤に変えてしまった男の壮絶な人生とは?

上記AFPの記事に掲載されている写真の男性は、チェッカーボードマン(Checker Board Man)こと、マット・ゴーン氏(Matt Gone)。


1970年に米ニューヨーク生まれシカゴで育ったゴーン氏の半生は、過酷なものだった。

彼は、生まれつき左側の筋肉(特に大胸筋)の筋肉が欠損する先天性の障害「ポーランド症候群」を持ち、腎臓が一つしかない状態で生まれてきた。


「ポーランド症候群」の原因は、母親の胎内での血行不全が原因とされており、彼は母親が血友病を患っていたことが原因だと推測している。

(参考:ポーランド症候群(大胸筋の欠損と同側の手指の発育不全)(Yahoo!Japan知恵袋),ポーランド症候群(社団法人 日本形成外科学会))


この障害のおかげで子供の頃は周囲の子供たちのからかいの対象ともなった。

歩くたび背骨がねじれて痛みが走り、歩き方も不自然になるほどで、苦難の少年時代を送ってきたことは想像に難くない。


その後も彼の人生は苦難の連続だった。

16歳で母親と死別し、17歳から一人暮らしを始めた。その後学生時代をアリゾナ州で過ごし、仕事のために転居したルイジアナ州ニューオーリンズでは、2005年のハリケーン・カトリーナの襲来により家を破壊された。

そして現在は、重度の腎臓病により医師に長く生きられないと宣告されているという。


そんなゴーン氏の壮絶な人生において、生きる希望となったのはタトゥーだった。

彼がタトゥーと出会ったのは14歳のとき。自分でタトゥーを彫ることに挑戦したが、何も知らなかった彼の挑戦は失敗に終わった。

しかし、その後もタトゥーへの思いは失われることはなく、19歳でアリゾナ州の芸術大学に入学してタトゥーアートの基礎を学び、ハリケーン・カトリーナで被災した後に一念発起して渡ったイギリスでは、正確にチェッカーボードの模様を描くための技術を身につけた。

確かな技術を習得した彼は、顔のチェッカーボードの製作に着手。タトゥーに目覚めて約20年を経て、寸分違わぬ対称形をした美しいチェックボードを完成させた。


ゴーン氏はメディアに取材に対して、自身がチェッカーボードにこだわる理由を語っている。

「私はチェッカーボードの数学的な模様を愛している。チェッカーボードの対称性は、私の非対称性を補ってくれるんだ。 」(原文英語:著者意訳)


ゴーン氏は、自分の命はそう遠くない未来、失われることを自覚している。

それでも彼は自分の死と向き合い、タトゥーアーティストとしての理想の美を追求するために今も精力的に活動している。

(参考:Matt Gone(BIZARRE:2010年1月の記事))


日本ではアウトローなイメージからタトゥーは多くの職場では忌避されることがほとんどですが、上記のゴーン氏は、ごく普通の調理師としてフルタイムで働いて生計を立てているそうです。

もちろん、実際にタトゥーを入れている人々の中には、他人に迷惑をかける人も少なくないという現実もありますが、辛い現実と対峙してポジティブに生きるために必要なものならば、ある程度社会に許容されてもいいように思えますね。

この記事に関連するサイト

マット・ゴーン氏のYouTubeチャンネル

マット・ゴーン氏のホームページ

関連記事

南米ベネズエラでタトゥー・アーティストの祭典が開催!?普通の女性を「ヴァンパイア・ウーマン」へと変貌させた理由とは?

参考サイト

Venezuela ExpoTattoo 2013(FaceBook)

VenezuelaExpoTattoo (Official)(FaceBook)

Venezuela Expo Tattoo

posted by 残照 at 22:20| Comment(1) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月25日

ハイテクなのに見た目はレトロ!?ロボットだけで運営できる中国のロボットレストランとは?

中国東北部・黒竜江省ハルビンには、調理から接客まですべての業務をロボットだけでこなせるロボット・レストランが注目を集めているという。

このレストランのオーナーでチーフエンジニアの劉氏(Liu)は、地元で「Harbin Haohai Robot Company」を経営するかたわら、昨年(2012年)このレストランをオープンした。

開店にかかった費用は約80万ドル(約7000万)。

劉氏が率いる研究チームが開発したという20体のロボットは、一体3万ドル〜5万ドル程度(約267万円〜445万円)で、開店費用の7割以上がロボットの費用で占められている。

これまで観光客や親子連れを中心に1万人以上の客がこの店を訪れているそうだが、中国の物価水準を考えると初期費用を回収するまでに至っていないように思える。


それでもオーナーの劉氏は、開店から7ヶ月でロボット・レストランが人々に認知され、お客様にも喜ばれているとの認識を示し、今後もロボットの機能強化とともに、メニューの増強を図っていくことを「チャイナデイリー(China Daily)」の取材に対して語っている。

さらに劉氏は、現在人間と対話できる機能を持つロボットを開発中で、「これが完成すれば子供がロボットと一緒にゲームで遊べる日が来るだろう」と今後の展望を示した。

(参考:A robot restaurant in China? They took our jobs! (10 Photos)(the CHIVE) )

Robot Restaurant in Harbin - North East China

(「CNC World」がロボットレストランを取材したニュース映像。ロボットは1.3m〜1.6mと子供と同じくらいの大きさで、別室に常駐するスタッフがコンピュータで操作する。連続稼動可能時間は5時間とやや短いが、充電時間は2時間なので、ランチタイムが終わった後と営業終了後に充電すれば十分に活躍してくれる。

メニューは、日本でもおなじみの四川料理と地元東北地方の中国料理が中心。調理はそれぞれの料理に特化したロボットが担当し、接客ロボットは、10種類以上の表情を作り、簡単な言葉を話す。

この他にも犬型ロボットや歌を歌うことができるロボットもあり、他のロボットと共に訪れた客たちを和ませている。)

China: A robot chef for making noodles - no comment

(中国ではもうすっかりポピュラーな存在となった麺スライスロボットの工場を取材した動画[No comment TVより]。上の記事とは直接的な関係はないが、こうしたロボットの普及がロボット・レストラン構想につながったのかもしれない。)

サムライロボットが料理を運ぶレストランがスゴイ! Robot Restaurant

(日本製の侍型ロボットがウェーターとして活躍するタイ・バンコクの日本食レストラン「Hajime Robot Restaurant」を取材した動画[Rocket News 24より]。こちらのロボットはなんと日本円で1300万円以上と高額。料理を運ぶ機能の他に音楽に合わせて踊る機能があり、客たちを楽しませるが踊っている途中は当然、料理を運ぶことはできないので、料理を運ぶのが遅れることもしばしばだという。→参考:サムライロボットが料理を運ぶレストランがスゴイ! けっこう賢いロボット(Rocket NEWS 24)



■ 中国のロボットレストランに親子連れが多いのはなぜ?

昨年、日本でも新宿・歌舞伎町にど派手なロボットがショーを披露する「ロボット・レストラン」が登場して話題になりました。

こちらは本物の人間に見間違うような精巧な外見をしており、中国とは対照的なものとなっています。

photo by Yohei Yamashita

歌舞伎町ロボットレストラン1.jpg

photo by Yohei Yamashita

歌舞伎町ロボットレストラン2.jpg

(参考:映画「私の奴隷になりなさい」大ヒット記念壇蜜誕生祭@ロボットレストラン(甘噛みMAGAZINE),総工費100億円の巨大ロボットがいる「ロボットレストラン」(Youtube動画))


中国では、近年、経済発展と共に急速に科学技術が発展し、工業、農業、医療、警備、警察、サービス業など様々な分野でロボットの導入が進んでおり、ロボットは庶民にとって経済発展を分かりやすい形で実感できる、一つの象徴となっています。


オーナーの劉氏は、「客の約60%は親子連れ、約20%は観光客で、彼らは食事だけでなく科学技術の世界を体験するためにこの店にやって来ている」と分析しています。

こうしたニーズに応えるには、一目でロボットとわかるちょっとレトロなロボットが最適と言えます。


子供たちに中国の科学技術の発展を実感させたい。そして、先行き不透明な未来を希望を持って歩んで欲しい。

中国のロボットレストランが親子連れで賑わう背景には、こんな親心があるのかもしれませんね。

参考サイト

CNC World(wikipedia)

serving humanity, one diner at a time: chinese restaurant with robot staff delights noodle-lovers(mail online)

the future is now – china opens robot-operated restaurant(oddity central)

posted by 残照 at 05:27| Comment(0) | サイエンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月19日

トランポリンでビルの壁を駆け上る!?カナダのサーカス発の新スポーツ「ウォール・トランポリン」とは?

日本でもおなじみのエンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」。

その本部のあるカナダのケベック州では、高さ5メートルの壁とトランポリンを使った「ウォール・トランポリン」が人気を集めているという。

シルク・ドゥ・ソレイユの「ドラリオン(Dralion)」の演目にも登場するウォール・トランポリン。

ウォール・トランポリンの原型は1980年代にカナダ・モントリオール州の国立サーカス学校で誕生したとされるが、当時はそれほど流行しなかった。

しかし、誕生から約10年後、シルク・ドゥ・ソレイユが演目として採用したことで多くの人に知られるようになり、現在ではモントリオールのサーカス学校で正式に授業科目に採用されるなど、ポピュラーな演目となっているという。


一方、一般への認知もインターネットの動画によって徐々に広がっており、アメリカでもウォール・トランポリンを教えるジムが登場した。

普及活動にも積極的に関わるウォール・トランポリン選手のジュリアン・ロベルジュ氏は、アメリカ最大のエクストリーム・スポーツ大会「X Games」の正式種目化を目指す意向を取材陣に語っている。


(ジュリアン・ロベルジュ氏を米CBSが取材した動画。

引用元→ Wall trampoline: The newest extreme sport?)


Wall Trampoline pros demonstrate their sport - WEB EXTRA

(CBSがウォール・トランポリンの実践風景を取材した動画。)


Oli lemieux freerunning Trampoline Wall

(ウォール・トランポリンの様々な形態を紹介している動画。こちらの動画では、実演者の目線の迫力ある映像を楽しめる。

ウォール・トランポリンの原型となったのは、屋根や壁、階段といった街角に存在する障害物をいかに素早く、かつ華麗に移動できるか競う「パルクール(英語:フリーランニング)」というスポーツ。この映像にように実際の建物を利用するのがより正式な原型に近いと言える。

特に、細いポールを利用したパフォーマンスは圧巻。こうした自由度の高さもウォール・トランポリンの魅力のようだ。)

■ ウォール・トランポリンの原型となったパルクールとは?

ウォール・トランポリンの原型となったのは、「移動の芸術」とも称される「パルクール」といわれている。

屋根や壁、階段、柵などの街中に当たり前のように存在する障害物を利用したアクロバティックな動きを通じて、自分の身体を鍛錬するスポーツで、フランスが発祥。

既に欧米ではポピュラーなスポーツとして浸透しており、最近では日本でもパルクールの普及を行う団体やパルクールチームが全国各地に設立されるなど関心が高まっている。

(参考:nagare japanese parkour team,パルクール広島,parkour.com(英語),マネ厳禁 ロシア流の超危険パルクール(Yahoo!映像トピックス)

一方、今もイスラエルからの空爆に晒されるパレスチナ自地政府のガザ地区では、パルクールが若者たちに生きる希望を与えている。

ガザ地区でパルクール、苦境に挑む若者たち


厳しい環境にありながらも肉体を鍛錬し力強く生きようとする若者たち。

環境に違いこそあれ、スポーツは世界中の苦境に立たされている人々に生きる意欲を与えてくれる力を持っています。


ウォール・トランポリンは街角にトランポリンを設置するだけで競技環境を整えられるので、パルクールが普及している土地では比較的普及しやすいと思います。

競技の普及が進みオリンピック競技になったとき、世界の若い選手たちが笑顔で参加できる世界になっていることを願いたいですね。

参考サイト

パルクールとは(NaGaRe)

パルクール(wikipedia)

エックスゲームス(wikipedia)


パルクール~THE ART OF MOVEMENT [DVD]


posted by 残照 at 05:28| Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。