昨年3月、突然発生した東日本大震災。
被災地の宮城県石巻市の地方紙「石巻日日新聞」では停電で印刷機(輪転機)が使えなくなった震災直後、壁新聞を発行。
混乱する被災地で、被災者たちに貴重な情報を提供し、私たちに紙媒体の新聞の必要性を再認識させた。
当時の石巻日日新聞の編集長は、その当時の活動について、AFPニュースの取材に対して語っている。
一方、インターネットの普及により、アメリカの紙媒体の新聞は存在感を失い、発行部数は激減。現在は危機的状況に立たされている。
しかし、日本では、そうした中でも堅調な発行部数を維持し、信頼性の面でも紙の新聞の存在感は大きい。
【日本の主要三紙の発行部数(各新聞社の最新の数値)】
| 新聞 | 朝刊の発行部数 | 夕刊の発行部数 | 合計 |
| 読売新聞 | 9,983,368 | 3,483,674 | 13,467,042 |
| 朝日新聞 | 7,955,995 | 3,120,302 | 11,076,297 |
| 毎日新聞 | 3,454,981 | 1,090,874 | 4,545,855 |
(世界新聞協会(WAN)によると、日本はアイスランドに次ぐ、世界第2位の新聞普及率を誇っているという。
有料日刊紙の普及率は92%。新聞の発行部数では世界トップで、主要三紙が発行部数で世界のトップ3を独占している。)
【新聞の発行部数と世帯数の推移(日本新聞協会調べ)】
| 年 | 発行部数の合計(スポーツ新聞も含む) | 一般紙の発行部数 | 世帯数 | 1世帯あたりの部数 |
| 2011 | 48,345,304 | 44,091,335 | 53,549,522 | 0.90 |
| 2010 | 49,321,840 | 44,906,720 | 53,362,801 | 0.92 |
| 2009 | 50,352,831 | 45,659,885 | 52,877,802 | 0.95 |
| 2008 | 51,491,409 | 46,563,681 | 52,324,877 | 0.98 |
| 2007 | 52,028,671 | 46,963,136 | 51,713,048 | 1.01 |
| 2006 | 52,310,478 | 47,056,527 | 51,102,005 | 1.02 |
| 2005 | 52,568,032 | 47,189,832 | 50,382,081 | 1.04 |
| 2004 | 53,021,564 | 47,469,987 | 49,837,731 | 1.06 |
| 2003 | 52,874,959 | 47,282,645 | 49,260,791 | 1.07 |
| 2002 | 53,198,444 | 47,390,027 | 48,637,789 | 1.09 |
| 2001 | 53,680,753 | 47,559,052 | 48,015,251 | 1.12 |
| 2000年 | 53,708,831 | 47,401,669 | 47,419,905 | 1.13 |
(日本新聞協会によると、2011年の1日あたりの新聞の発行部数は平均4835万部。前年比で1.97%と減少している。また、この表では2011年の「1世帯あたりの部数(新聞の発行部数/全世帯数)」は、0.9となっていて、この値も平均0.2ポイントずつ毎年減少していることがわかる。)
日本でもアメリカ同様にインターネットが普及し、紙の新聞にとって厳しい状況は変わらないように見える。 しかし、アメリカと異なり、日本の新聞のまだ安定した発行部数を維持している。 この違いはどこにあるのだろうか。
■ 日本の新聞がもつ「強み」とは?
上記のAFPの記事では、日本の新聞がアメリカと比べて堅調な発行部数を維持している理由を各分野の専門家に聞いている。彼らによると、日本の新聞が持つ「強み」とは以下のようなことだという。
【日本の新聞の強み】
1.長い通勤時間に新聞を読むことが習慣化している。
(出勤前に新聞を読む習慣など、日本人の生活に紙の新聞が定着)
2.読み書きの能力や学習に高い価値を持つ社会であり、新聞を読むことによる読み書き能力の向上や、学習効果が認められている。
3.インターネットのニュースサイトが相対的に発展していない。
4.市民の新聞への信頼性の高さ。
5.インターネット上でも情報源としての新聞が高い価値を得ている。
6.全国を網羅する戸別配達制度(宅配制度)。
7.新聞社による読者信頼のための努力。
8.地方紙は地域との結びつきを大切にすることで、地元での信頼を得ている。
(記事内の専門家の分析を短くまとめたもの。また、ここには含まれていないが、日本の新聞社の経営が安定しているのは、新聞の再販制度(再販売価格維持制度)によって、新聞社同士の価格競争が起こりにくいという事情もある。
日本と同様の新聞の再販制度が採用されている国は、主要国ではオーストリアのみ。アメリカでは1975年に再販制度そのものが廃止されている。)
以上の理由のほとんどは、日本人の新聞に対する「信頼」に基づいているものといえる。
では、日本人は、新聞をどの程度信頼しているのだろうか。
新聞の信頼度は、「公益財団法人 新聞通信調査会」が毎年実施している世論調査で示されている。
■ 新聞はNHKに次いで第2位!国民の新聞への信頼度は?
昨年11月公開された2011年の「メディアに関する世論調査」。
この調査は、「公益財団法人 新聞通信調査会」が、新聞やメディアについての国民の意識や考え方を知るために行っている世論調査で、2011年で4回を数える。
2011年の調査は、住民基本台帳から無作為抽出された全国の18歳以上の男女5000人を対象に行い、その約7割あたる3461人が回答している。
この調査では、各メディアに対する信頼度を、0〜100点で採点してもらい、その平均値を一つの指標として公開している。
【2011年の各メディアの信頼度(全体)】
| 順位 | メディア | 平均点 |
| 1 | NHKテレビ | 74.3 |
| 2 | 新聞 | 72.0 |
| 3 | 民放テレビ | 63.8 |
| 4 | ラジオ | 63.1 |
| 5 | インターネット | 56.3 |
| 6 | 雑誌 | 44.1 |
【2011年の各メディアの信頼度(年代別)】
| 順位\年代 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 |
| 18〜19歳 | NHKテレビ(69.8) | 新聞(64.7) | ラジオ(64.2) | 民放テレビ(62.7) | インターネット(60.5) | 雑誌(48.9) |
| 20代 | NHKテレビ(71.5) | 新聞(68.1) | 民放テレビ(61.5) | ラジオ(60.3) | インターネット(58.2) | 雑誌(43.8) |
| 30代 | NHKテレビ(71.4) | 新聞(70.0) | 民放テレビ(61.9) | ラジオ(61.6) | インターネット(56.8) | 雑誌(44.6) |
| 40代 | NHKテレビ(73.2) | 新聞(72.5) | 民放テレビ(63.2) | ラジオ(61.9) | インターネット(56.6) | 雑誌(42.1) |
| 50代 | NHKテレビ(74.8) | 新聞(73.4) | 民放テレビ(64.8) | ラジオ(64.5) | インターネット(57.3) | 雑誌(44.0) |
| 60代 | NHKテレビ(75.8) | 新聞(72.9) | ラジオ(64.9) | 民放テレビ(64.6) | インターネット(55.1) | 雑誌(44.4) |
| 70代以上 | NHKテレビ(77.6) | 新聞(73.5) | 民放テレビ(65.7) | ラジオ(63.7) | インターネット(53.2) | 雑誌(45.5) |
1位はNHK、新聞は僅差で2位となったが、72点と他のメディアに比べてかなり高い水準にあることがわかる。
一方、世代別の結果を見ても、新聞はすべての世代で2位。18〜19歳、20代でわずかに信頼度が低くなっているものの、その他の世代では70点以上を獲得している。
全世代で新聞は「信頼できるメディア」として認知されているようだ。
一方、紙の新聞のライバルとされるインターネット新聞は、現在どのくらいの人が読んでいるのだろうか。
『メディアに関する世論調査』にはこのことについての設問もある。
■ 40代以下で支持で普及が進むインターネット新聞
『メディアに関する世論調査』では、「インターネットニュースを閲覧している」と回答した人は、全体の半数を超える55.2%だった。
(表は、新聞通信調査会の『2011年メディアに関する世論調査』より引用)
この結果は、ここ3年間ほとんど変わっておらず、案外普及していないように思える。
しかし、これを世代別にみると、調査対象の40代以下で「インターネットニュースを閲覧している」と回答した人は、それぞれ約8割。
特に、20代と30代では、5割近くが「毎日閲覧している」と回答しており、若い世代での普及が目覚しいことがわかる。
回答者の半分以上が50代以上であるため、全体の普及率は、3年前からほぼ変化はないが、若い世代を中心に確実にインターネット新聞の普及は進んでいるようだ。
(表は、新聞通信調査会の『2011年メディアに関する世論調査』より引用)
【調査対象(回答者)の分布】
| 18〜19歳 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代以上 | |
| 回答者数 | 67 | 342 | 528 | 558 | 581 | 774 | 611 |
| 回答者全体に占める割合 | 1.9% | 9.9% | 15.3% | 16.1% | 16.8% | 22.4% | 17.7% |
(戸別訪問形式での調査という性質上、若い世代の回答者数は少ない。この分布から推察すると、現在の30代、40代が50代、60代になる10数年後には、インターネットニュースの普及率が8割を超えることが予想される。)
日本の新聞には、文化や生活習慣、新聞社と読者との関係など、これまで築きあげてきた様々な「強み」がある。
特に、この中でも「信頼できるメディア」として多くの日本人に認識されていることが大きいようだ。
しかし、海外から見ると比較的安定している日本の新聞も、インターネットの普及や長期にわたる不況、それに伴う広告収入の減少、少子化による人口減など、多くの問題を抱えている。
また、近年、記者の逸脱した行為が頻繁に報道されるようになり、最近では、報道機関としての使命感を履き違えた政治家への「言葉狩り」も目立つようになった。
こうした状況は、新聞記者への不信感を強め、インターネット上でのマスコミへの批判的な論調にもつながっている。
近年、各新聞社では、子供向けの記事や就職活動を控えた大学生向けの記事、女性読者を意識した記事を増やし、新たな読者の獲得に躍起になっているようです。
こうしたの目先の対策も必要なのかもしれませんが、新聞社は読者を裏切らない報道姿勢を見せ、「信頼できるメディア」としての責任を果たすことのほうが大切だと思いますね。
参考サイト



あと、自分で考える、調べるということをしない人間が多いということ。
だから、これだけ被災し、自分の子供たちの命が危なくなっていても何もしない大人が多い。
世界がどれだけ、あきれているか。
気づいていない。
Thriveとか、Zeitgeistとか、UNのAgenda21とか、USのNDAAとか、何も知らないって事。