2013年03月06日

厚生労働省が2010年の都道府県「平均寿命」ランキングを発表!?長野県の健康施策が成功しやすい秘密とは?

2013年2月28日、厚生労働省が平成22年度(2010年)の国勢調査(確定値)などに基づいた「都道府県別生命表の概況」を公表し、48都道府県の平均寿命が明らかになった。

最も平均寿命が長かったのは男女とも長野県(男性80.88歳,女性87.18歳)、最下位は同じく男女とも青森県(男性77.28歳、女性85.34歳)だった。

また、前回調査からの平均寿命の延び幅では、男性は山形県(1.43年)、女性は愛媛県(0.90年)が最も大きかった。

(参考:平均寿命、男女とも長野首位=延び幅は山形、愛媛−10年の都道府県別調査・厚労省(時事通信))


都道府県平均寿命ランキング[平成22年(2010年)]

男性 女性
順位(前回) 都道府県 平均寿命 順位(前回) 都道府県 平均寿命
全国 79.59 全国 86.35
1(1) 長野 80.88 1(5) 長野 87.18
2(2) 滋賀 80.58 2(2) 島根 87.07
3(4) 福井 80.47 3(1) 沖縄 87.02
4(10) 熊本 80.29 4(3) 熊本 86.98
5(3) 神奈川 80.25 5(9) 新潟 86.96
6(7) 京都 80.21 6(10) 広島 86.94
7(9) 奈良 80.14 7(11) 福井 86.94
8(17) 大分 80.06 8(4) 岡山 86.93
9(28) 山形 79.97 9(15) 大分 86.91
10(6) 静岡 79.95 10(7) 富山 86.75
11(16) 岐阜 79.92 11(6) 石川 86.75
12(13) 広島 79.91 12(13) 滋賀 86.69
13(18) 千葉 79.88 13(12) 山梨 86.65
14(5) 東京 79.82 14(19) 京都 86.65
15(11) 岡山 79.77 15(18) 神奈川 86.63
16(19) 香川 79.73 16(14) 宮崎 86.61
17(14) 愛知 79.71 17(24) 奈良 86.60
18(8) 石川 79.71 18(17) 佐賀 86.58
19(12) 富山 79.71 19(31) 愛媛 86.54
20(26) 宮崎 79.70 20(23) 福岡 86.48
21(20) 三重 79.68 21(21) 高知 86.47
22(27) 宮城 79.65 22(28) 東京 86.39
23(15) 埼玉 79.62 23(26) 宮城 86.39
24(24) 兵庫 79.59 24(20) 香川 86.34
25(21) 山梨 79.54 25(25) 北海道 86.30
26(29) 島根 79.51 26(22) 長崎 86.30
27(23) 新潟 79.47 27(29) 鹿児島 86.28
28(39) 徳島 79.44 28(27) 山形 86.28
29(22) 群馬 79.40 29(35) 岐阜 86.26
30(25) 沖縄 79.40 30(34) 三重 86.25
31(31) 福岡 79.30 31(40) 愛知 86.22
32(32) 佐賀 79.28 32(16) 静岡 86.22
33(43) 鹿児島 79.21 33(30) 徳島 86.21
34(33) 北海道 79.17 34(36) 千葉 86.20
35(35) 愛媛 79.13 35(33) 兵庫 86.14
36(30) 茨城 79.09 36(8) 鳥取 86.08
37(41) 和歌山 79.07 37(32) 山口 86.07
38(40) 栃木 79.06 38(39) 福島 86.05
39(38) 山口 79.03 39(45) 秋田 85.93
40(34) 鳥取 79.01 40(44) 大阪 85.93
41(36) 大阪 78.99 41(38) 群馬 85.91
42(44) 高知 78.91 42(42) 埼玉 85.88
43(37) 長崎 78.88 43(37) 岩手 85.86
44(42) 福島 78.84 44(43) 茨城 85.83
45(45) 岩手 78.53 45(41) 和歌山 85.69
46(46) 秋田 78.22 46(46) 栃木 85.66
47(47) 青森 77.28 47(47) 青森 85.34

都道府県平均寿命延び幅ランキング[平成22年(2010年)]

男性 女性
順位 都道府県 延び 都道府県 延び
全国 0.80 全国 0.60
1 山形 1.43 愛媛 0.90
2 徳島 1.34 大分 0.86
3 鹿児島 1.24 愛知 0.82
4 和歌山 1.10 奈良 0.77
5 大分 1.08 秋田 0.74
6 宮崎 1.08 京都 0.72
7 熊本 1.07 大阪 0.72
8 栃木 1.05 千葉 0.70
9 宮城 1.05 長野 0.70
10 長野 1.05 岐阜 0.70
11 島根 1.03 東京 0.69
12 青森 1.01 新潟 0.69
13 福井 1.00 福井 0.69
14 高知 0.99 広島 0.68
15 滋賀 0.97 三重 0.67
16 佐賀 0.97 福岡 0.64
17 福岡 0.95 宮城 0.64
18 千葉 0.93 栃木 0.63
19 岐阜 0.93 高知 0.61
20 山口 0.92 福島 0.60
21 奈良 0.90 神奈川 0.60
22 愛媛 0.88 埼玉 0.59
23 北海道 0.88 鹿児島 0.58
24 兵庫 0.87 茨城 0.57
25 京都 0.87 山形 0.56
26 福島 0.87 佐賀 0.54
27 広島 0.85 青森 0.54
28 香川 0.83 徳島 0.53
29 大阪 0.78 兵庫 0.52
30 秋田 0.78 北海道 0.52
31 三重 0.78 滋賀 0.52
32 沖縄 0.76 宮崎 0.50
33 長崎 0.75 島根 0.50
34 鳥取 0.75 山梨 0.48
35 茨城 0.74 香川 0.45
36 神奈川 0.73 山口 0.45
37 新潟 0.72 岡山 0.45
38 岩手 0.72 長崎 0.44
39 愛知 0.67 群馬 0.44
40 山梨 0.65 熊本 0.43
41 富山 0.64 富山 0.43
42 群馬 0.62 岩手 0.37
43 静岡 0.59 和歌山 0.35
44 埼玉 0.57 石川 0.29
45 岡山 0.55 静岡 0.17
46 東京 0.47 沖縄 0.14
47 石川 0.45 鳥取 △0.19

(出典:平成 22 年都道府県別生命表の概況(厚生労働省:PDF文書ファイル) 。鳥取県の女性の延び幅はマイナスとなっている。)


生命表は、ある人口集団の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを「死亡率」や「平均余命」などの指標によって表したもの。

この調査は1965年から5年に1回行なわれており、公表されるのは今回で10回目となる。

今回の調査では東日本大震災よる影響を避けるために、基礎資料の一つである「死亡数」について、従来の国勢調査年とその前後の3年分のデータではなく、国勢調査年(平成22年)のみのデータを利用して行なわれた。

■ 長野県知事は喜びのコメントを寄せる

長野県が男女ともトップに立った要因について、厚労省は「長野は公衆衛生の先進県の一つ。これまでの熱心な取り組みが何らかの形で表れているのだろう」(健康局)と分析している。

長野県知事の阿部守一氏は「男女とも全国で一番長寿の県であるという結果が出たことは大変うれしい。これからも県民、医療関係者、(健康づくりに)地域で自主的に取り組んでいるボランティアの力を結集していきたい」と喜びのコメントを寄せている。

(参考:長寿信州 男女とも1位 10年の都道府県別平均寿命調査(信濃毎日新聞WEB版))

■ 女性が3位に転落した沖縄県の医師会は危機感を強める

厚生労働省は、今回の調査で、沖縄の女性の平均寿命が3位の後退した理由について、「1985年以降、平均寿命の延びが低く、全国値を下回る状況が続いていた。今回の延びは(2005年比で)0.14年にとどまり、全国の0・6年に及ばなかった」と沖縄県の現状を分析している。

これに対して県福祉保健部の担当者は「女性の心疾患と急性心筋梗塞、慢性肝疾患・肝硬変、自殺などが全国平均を上回っている点が影響を与えている」と女性に蔓延する生活習慣病や精神疾患が原因との見方を示した。


一方、県医師会会長は、「県民はあまり病院に行かず、治療もやめてしまう」と県民の健康意識の低さを指摘している。

沖縄県の平均寿命が低下している背景には、青壮年層の生活習慣、食生活の乱れがあり、県や県の医療関係者たちは男性の平均寿命が26位に転落した2002年の「26ショック」以来、県民の生活習慣の改善に力を入れてきた。

しかし、女性と同様に、男性の平均寿命の順位(79.40歳で30位)も回を追うごとに低下しており、依然として結果がついて来ないのが現状だ。


沖縄県福祉保健部部長は、「人の生活や考えを変えるのは難しい。自分で変われないなら、家族や周囲の人から変化を促すような取り組みを進める」と、今後のさらなる対策強化を表明した。

(参考:「長寿県」転落 女性1→3位 男性25→30位(琉球新報),県・医師会に衝撃「今、手を打たねば…」(沖縄タイムス))

■ 青森県が男女ともワースト一位となった要因は?

今回男女とも最下位、男性に至っては1990年の調査から5回連続ワースト1となっている「不長寿県」青森県。

「平均寿命」が低いの原因として真っ先に挙げられるのは、喫煙率や飲酒率の高さや塩分の過剰摂取など食生活や生活習慣に関することが多いが、青森県健康福祉課の担当者は、 「生活習慣病の発症率が高く、比較的若い世代もかかってしまう。また、働き盛りの自殺率が高いため、それが全体の寿命率に影響しているのではないか」と、経済的理由や病気を苦にした40代、50代の働き盛り世代の自殺率の高さを指摘する。


こうした現状に対して、青森県健康福祉部ではこれまで通り、減塩を呼びかける取り組みを続けるとともに、自殺者を減らすためのゲートキーパーの育成を進めていくとコメントしている。

(参考:青森「平均寿命」ワーストワンの原因 塩分取りすぎ、運動不足、喫煙、飲酒では当然(jcastニュース))


■ 長野県の健康施策が成功しやすい秘密とは?

近年は、健康保険料などの医療費抑制のために、どの都道府県も「健康寿命」の延ばすための健康施策が行なわれるようなった。

長野県は、そうした時代の流れが訪れる前から健康に対する意識が高く、元気に長生きして最後は病気にくるまずにコロリと死のうという「ピンピンコロリ(PPK)」という言葉の発祥地としても知られている。

今日の長寿県としての地位は長年の積み重ねによるところが大きいが、いくら行政の積極的な働きかけがあったとしても、協力するか否かは個人の自由。

最近は健康志向が高まっているとはいえ、必ずしも住民が協力的だとは限らないだろう。


ではなぜ長野県は、日本一の長寿県と成り得たのか?

今回は、長野県の人々に根づいている「県民性(県民気質)」に着目して考えてみたいと思う。


出身県でわかる人の性格―県民性の研究 (草思社:岩中祥史著)』には、長野県の県民性(県民気質)として以下の2つが挙げられている。

長野県の県民性[県民気質]
・議論好きで理屈っぽい(読書好きが多い)
・四角四面で真面目一本槍(真面目で几帳面)

(この書籍では、古くから山地で隔てられた盆地それぞれが独立した文化を築き、江戸時代もこれらの地域が小藩に分れて治められていた長野県が、明治時代の廃藩置県後の紆余曲折を経て現在の形に成立するまでの歴史的な経緯に触れ、長野県の「県民性」を挙げにくい事情についても触れられている。このため、ここで挙げられているのは、伝統的なものというよりも現在の長野県人(信州人)の性格で共通する部分を著者の経験の基づいて抽出したものと考えられる。)


「議論好きで理屈っぽい」性格の人は論理的に説明すれば納得して実行してくれ、自分の得た有益な知識は知人との会話などで得意げに話すことが多いように思える。また、「真面目で几帳面」な性格の人は、毎日継続的に取り組むべきことをしっかりこなすのが当たり前と考える傾向が強い。


長野県では、地域で住民の保健指導に当たるボランティアがほぼ全ての市町村に配置され、一人暮らしの高齢者宅を訪問したり、生活習慣病に関する住民向け研修会への参加を呼び掛けたりするなど、住民に対する啓発活動が盛んに行なわれている。

(参考:【長寿の秘訣は…】野菜摂取や保健指導 長寿、男女トップの長野(47NEWS)


もちろん、こうした長野県の手厚い支援が実を結んだのはいうまでもないが、その背景には論理的に説明すれば納得して協力してくれ、教えられたことを真面目に継続的に実行してくれる長野県の県民性があるように思われる。


一方、男女ともに「平均寿命」が最下位となっている青森県は、同じ著書で次のような県民性が挙げられている。


青森県の県民性
・頑固で一途、辛抱強い
・無口で物静か、引っ込み思案でおっとりしている(南部地方のみ)
・陽気で積極的(津軽地方のみ)
・状況に応じて柔軟に対応できる(津軽地方のみ)
・柔軟な対応が苦手(南部地方のみ)

(青森県は、江戸時代は日本海側の「津軽藩」と太平洋側で岩手県に近い「南部藩」の2藩が明治時代の廃藩置県後の県の合併で成立した。

このため、津軽地方と南部地方では、それぞれ異なる気質を持っているとされる。)


青森県の県民性として真っ先に挙げられるのが、「頑固で一途、辛抱強い」という気質だが、これは冬の厳しい環境を生き抜くために確立されたものと考えられている。

しかし、これは裏を返せば、不満や悩みを自分の中に溜め込みやすい気質といえる。

また、自分の意見を曲げない頑固さは、生活習慣や食生活の改善の障壁になりうるだろう。


青森県健康福祉部の担当者によると、青森県は働き盛り世代の自殺者が多いとされ、減塩運動をしているが目立った成果は顕れていないという。

自殺の原因は経済的要因がほとんどのようだが、自分のストレスを溜め込みやすいこの県民性が少なからず影響しているように思える。


今回、長野県と青森県の県民性について調べてみましたが、これを見ると長野県のほうが青森県よりも健康施策が成功しやすい土地であることがわかります。

近年はインターネットなどの情報通信手段の発達により、地域間の気質の違いも希薄になっていますが、それでもその土地に根ざした共通した考え方は、多かれ少なかれ子供たちに伝わり、受け継がれていくものだと思います。

長寿県となった長野県に学ぶだけでなく、やはりその土地の人々に適した健康施策をそれぞれの自治体が考えていく必要があるのかもしれませんね。

参考サイト

平成22年都道府県別生命表の概況(厚生労働省)

日本人の平均寿命 男性79.59歳 女性86.36歳 厚生労働省調べ(INTERNATIONAL BUISINESS TIMES)

ピンピンコロリ(wikipedia)


出身県でわかる人の性格―県民性の研究

posted by 残照 at 23:18| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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